映画「オペレーション・フォーチュン:ルース・ド・ゲール」の要約・ネタバレ・この映画と似ている映画・この映画を見れるサイト 🎬

レビュー
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・映画の要約

2023年に公開されたガイ・リッチー監督作品『オペレーション・フォーチュン:ルース・ド・ゲール』は、スーパー諜報官オーソン・フォーチュン(ジェイソン・ステイサム)が、凶悪武器技術を巡る国際陰謀に挑むアクション・コメディである。フォーチュンとチーム(サラ役オーブリー・プラザ、J.J.役バグジー・マローンほか)は、億万長者の武器ブローカー・グレッグ(ヒュー・グラント)の計画を阻止するため、ハリウッド俳優ダニーを“恋人役”として臨時採用し、偽装潜入作戦を展開する。

グローバルなロケーションと軽快なユーモア、キャラ立ちしたチームワークが特徴で、約114分に詰まったスパイ映画らしい華やかなノリと、走る刺激を両立させた作品である。


・映画の時間

本作の上映時間は 114分(1時間54分)で、要点のある展開を約二時間でまとめ上げている。


・ネタバレ(起承転結)

起:指令と集結

英国の秘密組織は、世界秩序を揺るがす新型武器を阻止するために、潜入工作を命じる。選ばれたのはスーパー諜報官オーソン・フォーチュン。彼のチームには、天才ハッカー・サラと武器専門家・J.J.が加わる。そして、ターゲットの興味を引くために、かつてのアクション俳優ダニーが“役”として動員される。

承:偽装作戦と摩擦

ダニー役を黒幕グレッグに気に入らせるため、フォーチュンたちは慈善イベントやカンヌ映画祭のセットで芝居を打つ。サラの技術とJ.J.の爆破知識が見せ場を作り、ダニーの自己陶酔ぶりに振り回されながらも、少しずつ黒幕に近づいていく。

転:正体露見と裏切り

作戦中に正体が露見し、チームはグレッグの警護部隊や別派閥の暗殺者たちに追われる。グレッグ自身も狂気と快楽主義に満ちた計画を語り、チームと衝突。信頼関係の亀裂や、作戦の成否が一瞬で揺らぐ混戦状態となる。

結:潜入成功と余裕の結末

クライマックスはグレッグのパーティ会場での潜入突破。フォーチュンはダニーの“恋人役”としてマイクで真実の証言を引き出し、映像で暴露させることで黒幕の計画を崩壊させる。最後はジェット機での脱出とともに、チームは成功確定。エンドロール後には、再び次なる指令を予感させる余韻を残して終幕する。


・この映画と似ている映画

  1. 『スパイ』(2015):普通の操作員が世界の存亡に関わる状況へ巻き込まれるサスペンスコメディ。
  2. **『キングスマン』**シリーズ:洗練されたスーパースパイとユーモアを融合させたスパイアクション。
  3. 『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』:チームと信頼、裏切りを巡るテンション高い潜入作戦。

・この映画を見れるサービス

※配信状況は変更になる可能性があります。


・総評

『オペレーション・フォーチュン:ルース・ド・ゲール』は、スタイリッシュで軽快、かつスパイ映画の定石をうまく捻りながら、観客を最後まで飽きさせない一作である。

まずジェイソン・ステイサム演じるオーソン・フォーチュンは、筋肉バディにありがちな単純アクションではない。“ワインとコードに強い”インテリ派スパイ像を、微妙な皮肉と冷静さを併せ持って演じている。彼がプロとして周囲を統率し、時に冗談を交える様は、このジャンルでもなかなか見ないキャラクターだ。

一方、オーブリー・プラザのサラは、人間の“余白”を感じさせるシニカルな存在。彼女が数々の電子機器を操りながら「あなた、俳優でしょう」の台詞で場をかき回す様は、本作のコメディ要因として強烈な存在感を放つ。しかし、キャラクターにもう少しバックグラウンドが欲しかったとも感じる。彼女の持つ才能と冷笑の理由が物語上ではほぼ説明されず、少しステレオタイプに留まっている印象は残る。

ヒュー・グラント演じるグレッグも、その滑稽さとサイコパス性を同時に兼ね備えた悪役で魅力的だが、彼の陰謀の背景や動機が浅い印象が否めない。プロット全体についても、ガジェットや策略は楽しいが、中盤以降はキャラクターと目的が曖昧になってくる瞬間もある。

それでも、この映画が観ていて心地いいのは、「軽やかさと締まり」が同居している点だ。展開は早く、現実感よりドラマ性を優先するが、全体に漂う“世界を救うための軽妙な遊び心”が魅力である。映像は華やかで見栄えが良く、照明と衣装の使い方も洗練されており、見る者を第一歩目からその舞台に引き込む。

そしてチームとしてのバランス感覚も巧みだ。フォーチュンの冷静さ、サラの偏屈さ、J.J.の熱血さ、ダニーの空回り感――それぞれの色が衝突しながら融合していく様は、単なる“題材のある集合体”ではなく“化学反応”として機能する。

総じて、『オペレーション・フォーチュン』は、豪華キャストとお洒落なスパイコメディ演出、世界観の狭間で生まれるアンサンブルが光る作品だ。深さというより軽快さを楽しみたい観客にとっては、観賞後もほのかな満足感と“次への興味”が胸に残るだろう。シリーズ化の可能性もありそうな余地を残しつつ、スパイ映画の王道とサブカルチャー的センスが融合したエンターテインメントである。


・スタッフキャスト

  • 監督/脚本:ガイ・リッチー
  • 脚本:ガイ・リッチー、イヴァン・アトキンソン、マーン・デイヴィス
  • 製作:ガイ・リッチー、イヴァン・アトキンソン、ビル・ブロック、ジェイソン・ステイサム、ほか
  • 撮影:アラン・スチュワート
  • 編集:ジェームズ・ハーバート
  • 音楽:クリストファー・ベンステッド

出演

  • オーソン・フォーチュン:ジェイソン・ステイサム
  • サラ:オーブリー・プラザ
  • J.J.:バグジー・マローン
  • グレッグ・シモンズ:ヒュー・グラント
  • ダニー・フランチェスコ:ジョシュ・ハートネット
  • ネイサン/諜報トップ:ケリー・エルウィス
  • その他:エディ・マーサン、カリム・ベンチェトリなど
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