映画「コンティニュー」の要約・ネタバレ・この映画と似ている映画・この映画を見れるサイト 🎮

レビュー
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・映画の要約

2020年に公開されたSFアクション映画『コンティニュー(Boss Level)』は、元デルタフォース隊員ロイ・パルヴァー(フランク・グリロ)が、同じ“死の日”を延々と繰り返してしまうタイムループに囚われる姿を描いている。無数の殺し屋たちから次々に命を狙われるなか、ロイはループを抜け出すため、元妻ジェマ(ナオミ・ワッツ)との再接触や息子ジョーへの想いを原動力に戦いに挑む。死から学び、技を身につけ、ループの真相を突き止めようと奮闘する中に、ユーモアと家族の情愛が織り交ぜられる異色のアクション群像劇である。

冒頭から爆発の連続と銃撃戦、剣術アクションまでテンポよく展開し、ネタ重視のスリルと笑い、そして家族を救おうとするヒーロー像が渾然一体となった100分のエンターテインメントだ。


・映画の時間

本作の上映時間は 100分。濃密な展開が連続しており、長さを感じさせない構成になっている。


・ネタバレ(起承転結)

起:死ぬたびに始まる1日

ロイは目覚めると、謎の殺し屋集団に瞬時に追われ、あっという間に殺される。しかし気づけばまた同じ朝に戻り、その日を延々と繰り返すことに気づく。

承:ループの理解と技の習得

何度も死んではリセットされる中で、ロイは殺し屋たちのパターンを記憶し、回避能力を高めていく。アーケードで息子と過ごし、剣術師匠ダイ(ミシェル・ヨー)に技を習い、ループを“攻略”していく。

転:死のループの原因に迫る

ロイは元妻ジェマに会い、ループの原因が彼女が勤める企業の装置「オシリス・スピンドル」にあることを知る。メル・ギブソン演じるクライヴ・ヴェンター大佐による装置の暴走が引き金だったとわかり、世界の危機にも波及する深刻な事態が浮かび上がる。

結:ループ脱出と家族の再生

ループの末、ロイは息子ジョーを救い、装置の停止に成功。ジェマも救出して世界の危機を回避する。ヘリから自ら飛び降りたことで完全なリセットが成立し、最後のループの扉が閉じられる。殺し屋たちとのバトルシーンを経て幕を閉じるクライマックスが、家族の絆とヒーローである彼自身の再生を描く。


・この映画と似ている映画

  1. 『ハッピー・デス・デイ』:死を通じて主人公の成長と救いを描くタイムループコメディ。
  2. 『デジャヴ』:時間の流れを巻き戻して真相に迫るSFミステリー。
  3. 『Edge of Tomorrow/オール・ユー・ニード・イズ・キル』:死んでも蘇る体を武器に戦うSFアクション。

・この映画を見れるサービス

※配信状況は変更になる可能性があります。


・総評

『コンティニュー』は、SFとアクション、コメディ、そしてヒーローの再生譚が混在する“タイムループ死にゲー”であり、まるで爆発的なアーケードゲームを観ているかのような爽快感がある。

まず、死に覚えゲー的展開が楽しい。最初のうちは同じ死に方を繰り返すロイが、次第に殺し屋たちの策略を解析し、剣と銃の戦いで反撃していく過程にカタルシスがある。各死のパターンがバラエティに富んでおり、不謹慎ながら痛快だ。

次に、家族ドラマとしての深みだ。元妻ジェマとの再会、息子ジョーを守る思い、そして“罪を償いたい”ロイの葛藤が行動の動機として自然に機能している。死のループを抜ける鍵が、単なる脱出目的ではなく「家族を救う」ことにある構造が、作品を軽い爆破アクションから感情豊かなヒーロー譚へと昇華している。

さらに視覚的な演出がエッジが効いている。砂漠、ラフトルーム、研究施設と次々舞台が変わり、剣術師匠ミシェル・ヨーとの一対一の舞台は静寂とバレット音の対比が美しい。ゲーム風UI演出も随所に挟まれ、意図的に「ゲーム空間」らしさを演出している。

一方で、科学的理由やループの細部は多少雑にまとめられている印象もある。装置のメカニズムやループの回数に関する説明は一部曖昧で、感覚的で乗り切るしかない部分がある。しかし、この映画が目指すのは理屈ではなくエモーションとアクションの高揚だ。

メル・ギブソンの悪役ぶりもアクセントとなっている。独白混じりの基地での対峙シーンは、狂気とユーモアをはらんでおり、主人公ロイとの相対構造を明確にしている。その中でロイ役のフランク・グリロは、ストイックなヒーロー像を体現しながら、繰り返す死と再起を経た“疲れ”や“諦念”を併せ持った感情表現が光る。

家族を救った最後の瞬間は、単なるバッドエンドの解消ではなく、ロイ自身の内面の再生が結実した感動の瞬間である。ヘリから飛び降りて完全なループ破壊を決意するロイに、観る者は「この男なら」と胸を張ってエンディングを迎える。

総じて、『コンティニュー』は“死から学ぶヒーロー再生譚”として、理屈を超えたエンタメ的快楽を提供する作品だ。タイムループものの中でも、アクションの熱量、親子の絆、ユーモア、リスペクトあふれる映像が融合した一作であり、観る者をゲーム世界の中に強引に引き込み、最後は心に“勝利の一撃”を刻む力を持っている。


・スタッフキャスト

  • 監督:ジョー・カーナハン
  • 脚本:クリス・ボーレイ、エディ・ボーレイ、ジョー・カーナハン
  • 製作:ジョー・カーナハン、フランク・グリロ、ほか
  • 撮影:フアンミ・アスピロス
  • 編集:ケヴィン・ヘイル

出演

  • ロイ・パルヴァー:フランク・グリロ
  • クライヴ・ヴェンター大佐:メル・ギブソン
  • ジェマ・ウェルズ博士:ナオミ・ワッツ
  • ダイ(剣術師匠):ミシェル・ヨー
  • ブレット(警備責任者):ウィル・サッソ
  • アナベル・ウォーリス、ケン・チョン、ガブリエル、他
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