映画「ザ・コンサルタント2」の要約・ネタバレ・この映画と似ている映画・この映画を見れるサイト 📺

レビュー
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・映画の要約

2025年に公開された続編『ザ・コンサルタント2(The Accountant 2)』は、前作に引き続きクリスチャン・ウルフ(ベン・アフレック)が主人公のアクションスリラーです。まず冒頭では、引退した財務省高官レイモンド・キング(J・K・シモンズ)が謎の暗殺を受け、その腕には「FIND THE ACCOUNTANT」の落書きが… これが本作の事件の発端です。キングの死後、FinCEN副長官メリーベス・メディナ(シンシア・アダイ=ロビンソン)がウルフに捜査の協力を依頼。かつての相棒であり音声を発しない天才ハッカー、ジャスティーンと協力しつつ、ウルフは事件の核心へと接近していきます。途中、弟ブラクストン(ジョン・バーンサル)に助力を仰ぎ、複数のアクション展開がダイナミックに繰り広げられます。そして、忘れ去られたサルバドール人家族と児童人身売買組織の存在が明らかになり、ウルフ兄弟は禁断の悪に立ち向かいます。感情の深みと血生臭い暴力が交錯するなか、家族の絆と救済の物語が描かれていきます。

・映画の時間

本作の上映時間は 132分 です。


・ネタバレ(起承転結)

起:暗殺と呼び出し

旧友キングの殺害をきっかけに、「会計士を探せ」とのメッセージが事件の核へとウルフを導く。FinCEN副長官メリーベスが捜査依頼を持ち込み、ウルフは再び“数字の闇”に足を踏み入れる。

承:捜査の浸透

ジャスティーンや子供たちによるハッキングや情報解析が功を奏し、事件は人身売買ネットワークへ。加えて、弟ブラクストンとの再会が、任務をより過剰で危険なものへと変える。ja.wikipedia.org+4eiga.com+4press.moviewalker.jp+4

転:真相の顕在化

アナイス/エディット(ダニエラ・ピネダ)が該当家族の母と判明し、記憶と真実が衝突。ウルフ兄弟は命がけで人身売買施設に乗り込み、巨大悪と直接対峙。鉄と血の対決に巻き込まれ、家族を救い出すというクライマックスへ。

結:家族の再生

施設から救出された子供たち、兄弟の絆、そして救済への希望が描かれるエンディング。ウルフ兄弟がキャンプへ向かう余韻とともに、物語は静かに幕を閉じる。


・この映画と似ている映画

  1. 『ザ・コンサルタント(2016)』:天才的数字の才能と暴力的側面が交錯するオリジナル。indiatimes.com+8theriver.jp+8press.moviewalker.jp+8
  2. 『ジョン・ウィック』シリーズ:冷静な暗殺者の感情と超人的なアクションが共鳴。
  3. 『レインマン』:自閉症スペクトラムの主人公と、兄弟関係の絆と成長を描いたヒューマンドラマ。

・この映画を見れるサービス

※配信状況は変更になる可能性があります。


・総評

プロ意識を胸に、正直に感想を述べたい。一言で言えば、本作『ザ・コンサルタント2』は、前作から大胆にトーンチェンジし、兄弟の情動と暴力的正義のバランスを重視した、いまだかつてない“殺し屋兄弟のアクションスリラー”に仕上がっている。ギャビン・オコナー監督の演出は明確だ。数字に潜む闇だけでなく、血と涙に濡れた家族の絆こそが、本作にとって重要なテーマなのだろう。

まず称賛したいのは、ベン・アフレック演じるクリスチャン・ウルフの稀有な“感情の収束”。抑制された内省的演技が、彼のキャラクターと深く共鳴し、静と動の振幅を繊細に描き出している。一方のジョン・バーンサルが演じる弟ブラクストンは、より情緒的で感情に流されやすいキャラクターだ。彼の不安定さと暴力性が、ウルフの鎮定された理性との対比を鮮やかに際立たせ、二人の兄弟関係に説得力と共感性をもたらしていた。

一方で、物語構成には多少の硬さと混乱も感じる。特に中盤、ジャスティーンや子供たちによるハッキングなどの“頭脳戦パート”は、やや説明過多でテンポを削がれる印象がある。そこから一転して訪れる銃撃戦や暴力的決着が重厚であるだけに、「物語的な繋がりが若干希薄」と感じた瞬間が存在する。しかし、この“緩急”こそが、数字の世界と暴力の世界を緩やかに繋ぐ本作の構造的美学でもある。その大胆さは、評価に値すると私は思う。

また、人身売買という現実の闇を題材にした点も、大いに評価できる。本作は単なるテクノロジーや暴力のショーではなく、人間の尊厳や救済にまで物語を揺らせている。それが、ラストに近づくにつれ、観る人の心を深く揺さぶる構造になっている。ここに、プロの映画評論家として私が最も感銘を受けた“神髄”がある。暴力による救済と、家族の再生。これは、現代社会が抱える不条理と闘うメタファーでもあるだろう。

もちろん、演出のギャップや展開の説明不足に、不満を覚える人もいるだろう。実際、Criticsの一部からは「トーンが定まらない」「物語が過剰」の辛辣な意見も散見される。しかし、その荒々しさこそが本作のエッジであり、観る者を叩き起こす力でもある。

総じて、『ザ・コンサルタント2』は、アクション映画としてのエンタメ性と、兄弟の情緒的ドラマを高い次元で融合させた意欲作だ。完璧ではない。だが、その“割れた輝き”こそが、スクリーンから伝わる強い感触として、観る者の心に響く。決して静かではない――まるで嵐のように襲い、去る映画。だが、その余韻こそが、評論家として私が胸を打たれた真実だ。


・スタッフキャスト

  • 監督:ギャビン・オコナー
  • 脚本:ビル・ドゥビューク
  • 製作:ベン・アフレック、リンネット・ハウエル・テイラー、マーク・ウィリアムズ、マット・デイモン(製作総指揮)
  • 撮影:シーマス・マクガーヴェイ
  • 音楽:ブライス・デスナー
  • 編集:リチャード・ピアソン
  • キャスト
    • クリスチャン・ウルフ:ベン・アフレック
    • ブラクストン・ウルフ:ジョン・バーンサル
    • メリーベス・メディナ:シンシア・アダイ=ロビンソン
    • アナイス/エディット・サンチェス:ダニエラ・ピネダ
    • ジャスティーン(声):アリソン・ロバートソン
    • レイモンド・キング:J・K・シモンズ
    • その他:ロバート・モーガン、グラント・ハーベイ、アンドリュー・ハワード、マイケル・トゥーレック、他
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