映画「ジョン・ウィック:コンセクエンス」の要約・ネタバレ・この映画と似ている映画・この映画を見れるサイト 🔫

レビュー
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・映画の要約

2023年3月公開の『ジョン・ウィック:コンセクエンス』は、高潔な殺し屋ジョン・ウィック(キアヌ・リーブス)が「ハイテーブル」との最終決戦に挑む、シリーズ屈指のグローバル・アクション大作。ウィックはモロッコで盟約の解消を試みるも、パリやベルリン、日本の大阪へと舞台を移し、新旧の仲間・宿敵たちと壮絶な死闘を繰り広げながら自由を掴もうと奮闘する。深い信念と肉体を賭けた闘いが、3時間近い長尺ながら終始圧倒的な興奮をもたらす。

上映時間は 169分。濃密なアクションと緊迫の演出に圧倒されるボリューム感が持ち味だ。


・ネタバレ(起承転結)

起:戦いの幕開け

地下の防衛組織・地下王国で療養中のウィックは再び戦線に残る覚悟を示す。モロッコでの長老との対決に臨み、有利な条件と引き換えに自由への切符を手に入れる。

承:追われる身と古い友情

だが、その行動がハイテーブルとの全面戦争に発展。ニューヨークのホテル支配人ウィンストンや裏社会の盟友たちが次々に標的にされ、報復が激化。大阪では盲目のハイテーブル頂点暗殺者ケイン(甄子丹)との対峙、パリではエリート殺し屋マルキスとの決闘と、ウィックは極限状態を強いられる。

転:決戦の場へ

ベルリンでルスカ・ローマと再契約し、自由の代償としてマルキスの代役としての決闘に挑む資格を得る。最終決戦はパリ・モンマルトルの丘の上、夜明けの銃撃戦。ウィックと代理のケインは、宿命のライバルとして拳銃を構える。

結:終焉と余韻

互いに銃口を向け、弾丸が飛び、第三撃目直前でウィックの冷静な策略が炸裂。ウィックが決定打を放ち、勝利を得る。自由を手にしたはずの彼は深く息をつき、そのまま崩れ落ちる。墓石に刻まれた彼の名は、愛する妻との永遠を感じさせる静かな追憶を伴う。エンドクレジット後には、再起を匂わせる余韻もある。


・この映画と似ている映画

  1. 『マッドマックス:怒りのデス・ロード』:止まらない疾走感と壮絶なビジュアルアクション。
  2. 『オールド・ボーイ』(2003):復讐と救済に縛られる主人公の重厚な生き様。
  3. 『007/カジノ・ロワイヤル』:策略と信念を拳銃と冷静さで体現する決闘ドラマ。

・この映画を見れるサービス

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・総評

『ジョン・ウィック:コンセクエンス』は、いわば「銃声が紡ぐ詩(うた)」。シリーズの集大成にふさわしいスケールの大きさと、主人公の心に刻まれた軌跡が胸を打つ。

まずアクションの精度と演出。169分という長尺を感じさせず、微速でも無駄はない。一歩一歩、弾丸が飛び交い、肉体と感情が叩きつけられていく。その中で甄子丹やドニー・イェンを筆頭とする新旧豪華キャストの剣演(つるぎえん)も鮮やかで、特に大阪での“武”を感じさせる瞬間は、シリーズに深みと華を添えた。

ウィック役キアヌ・リーブスは静かな決意と沈痛を、その目と所作で語り続ける。銃を構える者としての孤独と規律、そして過ぎた時間への深い悲しみを体現した彼の眼差しは、ただの“最強”よりも“最期の狙撃手”としての哀しみを共振させる。劇中に散りばめられる“一歩手前の閃き”が、致命のカウンターへと繋がる構成は、シリーズファンとしてたまらない心地良さだ。

さらに脚本の妙技。勝ち方だけでなく、“何を賭け、何を守るのか”という選択に焦点が当たる。恋人へ、死んだ妻へ、そして自分の過去へ。ウィックは銃によって語り、静寂によって思い出を紡ぐ孤高の戦士となっている。最終決闘は「拳銃×信頼」の密約であり、銃声よりも信念の重さに耳を澄ませる瞬間だ。

ただ、長尺ゆえの疲労感を覚える観客もいるだろう。過剰とも思えるアクションの嵐に対し、「もう少し心拍数の緩む瞬間がほしかった」と思う部分もある。しかし、それも策に酔いしれる覚悟でスクリーンに没入すれば、それすら“壮絶な息切れ”として心に刻まれる。

音楽はテイラー・ベイツとジョエル・J・リチャードによる劇伴がコアを打ち抜くようにシンクロし、銃弾や足音、遠雷のような静寂に“隙間のないリズム”を与える。特にパリの夜明けでの決戦は、ビジュアルと音楽が完全にひとつになった“絵巻物”のようだ。

総じて、本作は「終わりなき旅の証明」である。ウィックという男が自由を賭け、死と対峙し、人として何を残すかを示したラスト。彼が墓前で語るのは台詞ではなく、歩むことでしか伝えられない生のシンフォニーである。

シリーズ未経験者でも、この映画の“心臓の鼓動”に気づくならば、完璧ではないが強烈に生きた一撃を受けるだろう。そして間違いなく、あなた自身の“戦い”と照らし合わせたくなる。でもその戦いは、タイトルではなく“あなた自身”が主役になる。


・スタッフキャスト

  • 監督:チャド・スタエルスキ
  • 脚本:シェイ・ハテン、マイケル・フィンチ
  • 音楽:テイラー・ベイツ、ジョエル・J・リチャード
  • 撮影:ダン・ローステン
  • 編集:ナサニエル・オルロフ

出演

  • ジョン・ウィック:キアヌ・リーブス
  • ケイン(Caine):甄子丹
  • マルキス・ド・グラモン:ビル・スカルスガルド
  • ボワリー・キング:ローレンス・フィッシュバーン
  • シマズ・コウジ:真田広之
  • ミスター・ノーバディ/トラッカー:シャミア・アンダーソン
  • チャロン:ランス・レディック(追悼)
  • アキラ:リナ・サワヤマ
  • キリア・ハーカン:スコット・アドキンス
  • ハービンジャー:クランシー・ブラウン
  • ウィンストン・スコット:イアン・マクシェーン
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